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「…終わったか?」
「んー…。
みたい、だね。」
しばらく待っても次の名前が出てこない紙を器用に巻くと、元の通りにリボンで結びながら獏良は笑みを浮かべてうなずいた。
「お疲れさま」
「あぁ。
お互いにな」
日付けはだいぶ前に変わり、冷え込みの厳しさも過ぎて、夜が明ける間にはそうかからないという時間である。
銀の星は空に
登場は引き続き、宿主+社長+千年輪。
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「ただいま」
十分に夜も更けた頃。
聞こえた声が二人分だったことに、リングの眉が知らず動いたがそんな事は瑣末でしかない。
これから再び『お務め』(それも本来ならば他人の仕事だ)に出る二人を迎えるために、リングはキッチンを後にした。
きよし この夜
軽い食事を取らせてから、リングは海馬には朝受け取った茶色のコートを手渡して、宿主をベッドルームに拉致する。
食後の紅茶をのんびりと味わう海馬が待つ事数十分。
引き続き、宿主+海馬+千年輪のターン。
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24日の早朝、目覚めた獏良の枕元には、サンタクロースの話通りに手袋が一揃いと、リボンが結ばれた紙の筒が置いてあった。
紙をひろげれば、プレゼントを届ける子供の名前が次々浮き上がるのだと教わった。
そして、この手袋こそがサンタクロースの魔法で…。
夜が明けるまえに
「宿主、社長が迎えに来てんぞ…って、いま起きたのかよ」
「……んー。
パジャマのままでも良いって言われてるしー…」
出演は宿主+社長+乃亜
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二人の目前に現れたのは、まごうかたなきサンタクロース、そのひとの姿をしていた。
赤い身ごろに白いファーの縁取りがついた衣装に、黒い革の長靴。白い髪とひげを豊かにたくわえた、太っちょで赤ら顔の老人は、変わらず好々爺の笑みを浮かべている。
それはこの時期ならばどこに行っても見つけることの出来るスタイルの、およそ日本人が空想する通りのサンタクロース。
聖者の願い
「…サンタクロース?」
「小さいな」
「海馬君…」
※異心別体です。
いちおう海獏表記ですが、一緒にいる以上の絡みはないのではないかと。
ところどころイチャイチャしてるように見えるかもしれないので、固定カプ以外は許せないというお嬢様方はお気をつけてください。
あと、宿主の捏造加減がハンパネェですので、そこもどうかご留意くださいませ。
出演は宿主・海馬・乃亜・千年輪・盗賊でまいります。
少しでもお楽しみいただければ幸いです。
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聖夜まで、あと二週間を切った夜。
ここのところ一挙に厳しくなった冷え込みに比例して、KC本社ビルの最上階から眺める夜景は格別だった。
そんな社長室に在席するのは、ふたりきり。
絶好のシチュエーションながら、しかし室内はあくまでもビジネスに終始する会話が熱く飛び交っている。
ただいま日本中が、世に言うクリスマス商戦。
玩具メーカーのKCとしては、いやがおうにも力が入る。
聖 夜
窓の外に広がる夜景には目もくれず、クリスマスに行われるKC主催のイベント最終打ち合わせを繰り広げているのは、KCの社長たる海馬瀬人。
そして、ソファセットで彼に相対しているのは、イベントのキモとも言える役割を振られた獏良了であった。